カボチャの馬車は、途中下車不可!?

プレミアムフライデーの夜なら、正確には、私と付き合い始める前だ。
だから、私に文句を言う権利はない。

でも、彼には散々口説かれてて……
その間も、彼女と天秤にかけてたんだろうか。

それとも最初から、二股かけるつもりだった?
遊びだった? 本気なんかじゃ、なかったの?


……だめだ、早合点しちゃダメ。
ちゃんと彼に確認しなくちゃ。

なんでもないんだって、きっと笑ってくれるはず。
笑って、抱きしめて……きっと。


ふらふらって。
マリオネットみたいにおぼつかない足取りで、エレベーターから降りて。

カードキーを取り出そうとカバンの中を探った。



え——


嘘でしょ……

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