カボチャの馬車は、途中下車不可!?
カタカタ……
小刻みに振動する体は、重力に耐えきれなくなって、私はその場にずるずるとへたり込んだ。
カタッ……
ほんとにかすかな、音だったのに——
「誰だっ!!」
花屋さんの声。
別人のように鋭い誰何の声が、コンクリートにぶつかり、跳ねた。
口を両手で強くふさいで、悲鳴をなんとかこらえた。
ドアが開き、車から花屋さんが降りた音がする。
「どうした?」
尋ねるライアンに、「今なんか音がしなかったか? 話、聞かれたかも……」
険しい声が答え、こっちに近づいてくる。
コツコツコツ……
よくわからないけど……絶対見つかっちゃいけない気がして。
柱に強く、全身を押し付けた。