カボチャの馬車は、途中下車不可!?


怖い……っ!



汗が、全身から噴き出した。


コツコツコツ……


ダメだ、来る、見つかっちゃう……


私の視界に、黒い革靴が映った。
靴だけじゃない、もう……彼の全身が、私からは見えてる。

私に見えてるってことは……
振り返った瞬間、彼もこっちを見つけるってこと。


数十センチの位置に……っ




瞬きも、呼吸すらもできず。


私はただ、全身を硬直させていた——


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