カボチャの馬車は、途中下車不可!?
もうすっかり出来上がって千鳥足のサラリーマンにどつかれながら。
ひたすら歩く。
どこに行けばいいのか、わからないのに。
どこに向かってるのか、わからないのに。
それでもいい。
ただ、今は。
立ち止まりたくなかった。
少しでも遠く、彼から離れてしまいたかった。
ブラックホールにつながっていそうな、漆黒の空。
月も星も見えないその闇に祈った。
全部、消してください。
彼への想いも、思い出も言葉もぬくもりも。
塗りつぶして。
飲み込んで。
そして私に、白い平穏を返して。