カボチャの馬車は、途中下車不可!?

どれだけそうしていても、状況は変わらないわけで。

しばらくして、私はのろのろと体を起こした。
油切れの機械みたいに、全身がぎくしゃくと痛みを訴える。

ヘッドボードの時計は……9時過ぎ。


昨夜買ってきたTシャツとジーンズに着替えて、お弁当を手に取ったけれど、やっぱり何も食べる気にならない。
ペットボトルを傾けて、水だけ喉に流し込んだ。

よく眠ったせいか、気分的には昨夜よりはマシ、かな。


狭い窓から外を覗き見れば、眼下では昨日と変わらない今日が始まっていて。
会社へ向かうスーツの群れが見える。

こうしていると。
自分がとんでもなく遠くに来てしまった気がして、もう二度とあそこには戻れないような気がして、泣きたくなる。

ほんの24時間前には、あんなに幸せだったのに。
彼の、そばで——



唇をきつく結び、首を振る。


やめよう。
これ以上思い出したって、みじめになるだけだもの。

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