カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「ホテル側で調査しようにも、外国の方ですし、情報が少なくて……」
悔しそうな都築さんの一言で、ようやくノートパソコンの存在を思い出した私は、カバンから取り出したそれをテーブルの上に置いた。
「……これは?」
「プライベート用なんですけど、この中に何かヒントがあるんじゃないかと思うんです」
ファイルのことを伝えると、彼は強く頷き、賛成してくれた。
「新宿までいく必要はありません。うちのシステム部の者に調べさせましょう。今の時間ならもう出勤しているはずですから、呼んでまいります。こちらで少しお待ちいただけますか?」
「わかりました」
都築さんが席を立って出ていき。
一人残された私は、脱力しながら天井を仰いだ。
ショックで感覚が麻痺しているのか。
涙は出ない。
ねえライアン……あなたは一体、何者なの?
一体何を、しようとしてるの?
BBBBBB……
微かな音がする。
どこかで……バイブレーター……?
携帯……よね。どこだろう?