カボチャの馬車は、途中下車不可!?
ゆるゆると目線だけ動かして、音の出所を探った。
それほど時間をかけることなく、デスクへ置きっぱなしのスマホにたどり着く。
都築さんのだ。
部屋に入った時、彼が置いてたから……
触らない方がいいわよね。
そう思いつつも、一向に止まない着信音が気になって、重怠い体をソファから起こした。
すぐ戻ってくるから、とか教えてあげた方がいいかな。
深く考えることなく、そのディスプレイを視界に入れ——
「っっ……!?」
目を見開いた。
画面に写真が表示されている着信相手……それが、私の知っている人だったから。
2人は知り合いなの?
でもどうして……
ふわふわと揺れる手を伸ばして、私は操られるように通話をONにしていた。