カボチャの馬車は、途中下車不可!?
再び、怒鳴り声。
これって……まさか、都築さん?
爽やかなイメージとはかけ離れた荒んだ口調を確かめたくて、私はなんとか首だけを伸ばしてあたりを見回した。
ここ……バー、かな。
ボトルが雑然と詰め込まれた棚、積みあがったビールケースが見える。
でも……
大半の家具に布がかけられていて、営業してるって雰囲気じゃなさそう。
さらに目をきょろっと動かすと。
フロアに散らばったテーブル席に……男たちが座ってる。
10……15人くらいいそう。
年齢は……よくわからないな。若そうな子もいるけど。
壁際にはソファ席がいくつか。
私はその中の一つに横たえられてるらしい。
窓がないから、今が昼なのか夜なのか、それすらわからない。
一体どれくらい、気を失っていたんだろう?
「俺があの女に偶然会わなかったらっ、どうするつもりだったんだっ! ファイル開けようとしてたんだぞっ!」
カウンター席に、都築さんが座ってた。
お酒のボトルを片手に、ボサボサに乱れた前髪の間から邪険に睨む彼は、いつもの折り目正しい姿とは真逆で。
同じ人物なんて、とても信じられないほどだ。