カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「もうやだっ! 俺は降りるぞ!! もうたくさんだ!!」
「おいおい、修クン。勝手にそんなこと、できると思ってんの? この河部弘(かわべひろむ)様がお前の借金、一体いくら肩代わりしたと思ってんのよ?」
「そっそれは、……っ……」
「オトモダチだろ、俺たち? ガイジン野郎とっとと追っ払って、これからも仲良くやろうぜ?」


ガイジン野郎って……もしかして、ライアンのこと?

仲間じゃないの?
ライアンは、あいつらの……


って。こんな時に、何考えてるの。
そんなの、どっちでもいいじゃない。

まつげにたまった汗を、瞬きして払い落とす。

とにかく、今は逃げることに集中しよう。



イタ……膝、たぶんまた血が出てる。
床でこすられるたび、ズキズキって……痛みが、尋常じゃない。

シャワー浴びたいな……
汗で全身に服が張り付いて、ベタベタして。
ものすごく気持ち悪い。

胸の内で悪態をつきながら、それでも少しずつ、前へ進んだ。

あと、少し。
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