カボチャの馬車は、途中下車不可!?

いやだ、いや……

お願い……

誰か……たすけ、……





ドアは、固く閉まったまま。


誰も、来てくれない。


私は、一人だ。



目を、閉じたいのに。
泣きたいのに。
まぶたも口も、凍り付いたみたいに、動かない。


尖った針の先端が……
照明を跳ね返して、ギラリと冷たい輝きを帯び。
むき出しの腕に近づいてくる。


私はただただ。
ひきつったような呼吸を繰り返しながら、なすすべもなく、それを凝視した。



「いや……いやぁっ……!!」



< 477 / 554 >

この作品をシェア

pagetop