カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「今日は僕のわがままに付き合ってくれて、本当にありがとう。ちょっと強引だったかなって、反省してたんだけど、どうしても会いたくて……だからとてもうれしかった。マユミが僕の頼みを聞いてくれて」
くしゃって目尻に皺を寄せ、衒いない笑みに顔を輝かせる。

「夕食のリクエストはあるかな? なんでもいいよ?」

「え」って一瞬、言葉に詰まる。

ちょ、ちょっと待ってよ。
食事なんて、聞いてないってば。


狼狽えながら、両手を振る。
「いえっ……今日私がここに来たのは、メールでもお伝えしましたけど……」

「わかってる。恋人がいるんだろう? だから、食事だけ。それ以上は望まない」

「そう……言われて、も……」

「ね、一度だけでいいから、僕にもチャンスをくれないかな」

熱のこもった瞳に、ひたと見つめられて。
私は大いに戸惑った。

なんなの、これ……全然、予想してた展開と違わない?
彼、なんだか「マユミ」に本気、みたいに見えるんだけど……。

メールだけで、好きになった?
本気になった?
まさかそんなことって……あるんだろうか?

青山さん、一体彼とどんなやりとりしてたわけ?
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