カボチャの馬車は、途中下車不可!?
食事だけなら……
いや、でも……
面倒なことになったら困るし。
返事に窮していると、カクテルが運ばれてきて。
ライアンさんは、うっとりするほど優雅な仕草でそれに口をつけた。
「素敵なディナーにするって約束するよ。一生忘れられないような……ね?」
言葉が切れて……刹那。
私を流し見た瞳に、妖しい笑みがよぎった。
まるで水底に差した、一筋の光のように。
誘うように揺れる、その視線に含まれた色気に、
ごく……っ
みっともなく喉が鳴った。
や……やっぱりこの人、相当慣れてる。
どうして出会い系使ってまで相手を探したいのかわからないけど。
今夜「マユミ」と「そういうつもり」ってことは確か。
食事だけ、なんて嘘だ。
真っ白な聖人を装いながら、その裏で研いでる牙が見えるもの。