カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「そんなの、全部あんたの想像でしょ。証拠なんて一つもない。それに……そうね、たとえそれが本当だったとしても、あたしはなぁんにも悪くないわよ? そいつらが勝手に本気にして、騒いで、やっただけなんだから」
「青山さん……ほんとなの? どうして……」
つぶやくように聞くと、彼女はハッとバカにしたように笑った。
「わかんないってわけ? あたしの幸せ、邪魔したくせに」
幸せを、邪魔した? 私が……?
こんな風に真正面から悪意をぶつけられたのは初めてで。
全身がブルっと震えた。
「私……何か、した?」
彼女に、何かしたんだろうか?
一緒に仕事した時? 仕事を頼んだ時?
こんなに恨まれるほど、何か……
狼狽する私を睨みながら、青山さんは言い放った。
「島田さんは、あたしのものだったのに!」
「……は?」
束の間、何を言われたのかわからなくて、瞬きを繰り返した。
シマダ、島田……? もしかしてそれって……
「立川製薬の、島田哲也くん?」
「そうよ!」ってトーンが高くなる。
「あんたが! あんたが、あんな女紹介したりしなければ、彼はあたしと付き合って、結婚してたはずなのよ!! ずっと前から狙ってて、いい感じだったんだから!! 飛鳥マジックとか持ち上げられて、いい気になって……ざけんじゃないわよっ!!」