カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「……なんだよ?」

「お金はいらない。だからその代わり、教えてほしいの。この事件について」


そうだ、教えてほしい。

あれだけ思いっきり関わっちゃったんだもの。
知る権利があると思う、私には。

自分の中で、すべてにケリをつけるためにも——


しばらく当惑したように沈黙した伊藤くんは、それでも浮かしかけた腰を戻してくれた。


「答えられる範囲だったら、答えてやるよ。何が知りたいんだ?」


何が知りたい?

何が……


一番知りたいのは……彼のこと。
今どこにいるのか。
何をしてるのか。
どんな、気持ちで……


ごちゃごちゃと散らかった頭の中を整理するように深呼吸して。
この2週間、散々積み上げてきた質問の山を探った。
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