カボチャの馬車は、途中下車不可!?

バサリと一息に言われて。
「え?」と、次の言葉を見失う。

わ、私のため?

「上にとっちゃ、あんたはグループの汚点を知るやっかいな証人だ。将来あんたが暴露記事をマスコミに売り込まないとも限らない。即刻息の根を止め……」

「えぇっ!?」
こ、殺されるの私っ!?

パニック気味に腰を浮かせかけた私へ、くつくつって伊藤くんは人の悪い笑みを向けた。
「ま、それは冗談だけど」

「じょ、冗談……って、あのね……」

「ただ、あんたが口を滑らせないように、万一に備えて保険はかけておこうとするだろうな」

「保険?」

「あんたを監視して調査して、場合によっちゃでっち上げてでも、弱みを握っておくのさ」

「なっ……」
開いた口がふさがらず、私はパクパク、喘いだ。
そ、そこまでするの?

「ライは、それを嫌がった。『絶対飛鳥に手出しはさせない』ってな。だから、上が手を回す前にぶちまけたんだ。トラブルが周知の事実ってことになれば、あんたを脅してまで秘密を守らせる理由がなくなるから」

ライアンが……私のために……?
震えそうになる両手を、膝の上で強く握り締めた。

やっぱり間違いない。
私は彼に、守られていた——
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