カボチャの馬車は、途中下車不可!?
そしてみんなの視線が同じ方向——入口へと向けられていることに気づいて、私もそちらへ、釣られるように目を向けた。
——え?
ざわめきが、消えていく。
音楽も消えて。
意識と感覚のすべてが、会場に入ってくるその人に集中していくのがわかった。
嘘、でしょう?
なんで、ここにいるの?
シンガポールじゃ……え、日本に帰ってきたの?
どうして?
幻、じゃないわよね?
「……ライアン……?」