カボチャの馬車は、途中下車不可!?
その反応は——予想していなかった。
全く。
私はてっきり、かわいいとか似合うとか、褒めちぎるんだとばかり思ってた。
自分で見ても、ちょっと驚くくらいきれいに仕上げてもらったから、知らないうちにテンションは上がってたし。
少し期待していたのかもしれない。王子様はどんな言葉で褒めてくれるかなって。
実際、戻ってきた彼が私を見た瞬間、その目に確かに賞賛の色が浮かんだと思ったんだけど……気のせいだったのかなって疑うくらい、すぐに掻き消えて。
それきり、眉を寄せて黙り込んでしまうから、びっくりした。
えっと……
なんでそんなに、難しい顔をしてるんだろう?
満足できるレベルじゃなくて、がっかりしたのかな?
美女なんて、見慣れてるだろうし……
じゃあ早く、そう言えばいいじゃない。
その表情に、かすかに冷ややかなものすら感じてしまった私は、居たたまれずに口を開いた。
「や、やっぱり似合わないでしょ。私自分のスーツで——」
「Excellent!」
唐突な賛美と拍手の音とに遮られて、顔を上げた。
「ごめんね。あんまり美しすぎて、とっさに気の利いた日本語が思いつかなかったんだ。ほんとに、すごく素敵だよ」
そこにはもう、輝くような笑みがあるばかり。
その変化に、私はまた戸惑う。
なんだったんだろう?
さっきの沈黙は……?