カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「じゃ、美しい僕のプリンセスに、プレゼント」
「え?」
パチパチ、瞬きして。
差し出されたベルベットの細長い箱を見下ろした。
「何、これ?」
「開けてごらん」
「……」
この上、一体何をくれようというんだろう、この男は。
これ以上はもう、心臓によくない気が……
びくつきながら蓋を開けて……息をのんだ。
ネックレスだった。大小サイズの違うサファイアとダイヤモンドが……一体いくつついてるんだろうっていうくらい、ゴージャスなやつ。
これ、まさか本物……?
「ももももらえない、こんな……高そうなっ……」
そっちがどういう予定でいるか知らないけど、こっちは食事だけのつもりだし。
もらう理由がない。
思いっきり首を振って、冷や汗のにじむ手で箱を押し戻すと。
返されたことにびっくりしたんだろうか。
「不思議な人だね、君は」って彼は目を丸くする。