カボチャの馬車は、途中下車不可!?
でも……
夜景に見惚れるふりをしながら、こっそり首をひねる。
でも、どうして?
御曹司が本当だとして。
このルックスで、そんなバックグラウンドもあって。
どうしてそんな人が、わざわざアプリを使うんだろう?
黙ってたって、喜んで相手したがる女の子、誇張じゃなく、掃いて捨てるほど来そうじゃない?
それとも、何か特別な理由でもあるんだろうか。
聞いたら、答えてくれるかな……
そこまで考えて、ピタっと思考をストップさせた。
やだ、私、なんでこんなに彼のこと詮索してるんだろう。
知りたい?
彼のことを?
どうして?
大慌てで頭の中、デリートボタンを連打して、妄想と興味を消去していく。
深入りは、しないほうがいい。
やっぱり彼は、危険な気がするから。
これ以上関わると、後戻りできなくなりそうだ——