カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「えっ、ほんとに!?」

場所をわきまえず、つい声をあげてしまってから、急いでボリュームを落とした。
「おめでとうっ」

「真杉さんのおかげです。哲也さんからもよろしくって」

「ううん、私はただ紹介しただけだから」って首を振って、
今度はじっくりと指輪を見せてもらう。

丸みのあるピンクゴールドのアームに、メレダイヤが連なって輝くかわいいやつだ。

「素敵ね、すごく似合ってる!」

「ありがとうございます! それで、あの、実は真杉さんにお願いあって……結婚式の時なんですけど……」
はにかんだ幸せそうな笑顔。
このカオには見覚えがある。

「スピーチでしょ?」

何回目だ? とか思ったことは、もちろん顔に出したりしない。

「まかせといて」って笑って胸をたたく。
「絶対、ご両親泣かせてみせるから」

「うれしいっ! 真杉さんなら引き受けてくれると思ってました。ありがとうございますっ」

「日どり、決まったら教えてね」
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