カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「え……」
君だけ——
特別めいた言葉にほんの一瞬ドキリとしてしまったものの、
「嘘ばっかり」
そんなわけないでしょ、ってジト目を向けてやった。
案の定。
「あー……やっぱりバレたか」
軽やかな笑い声が弾ける。
そんな風に悪びれもせずに返されたら、こっちも苦笑いするしかない。
ほんとにこの王子様はうまいな……女性のあしらい方が。
——わかってる。
彼が求めているのは、自分と同じように恋愛に長けた相手。
後腐れなく楽しめる相手。
私は、彼が求める相手じゃない。
彼は、私が求める相手じゃない。
彼に合わせて浮かべた笑いは、どこか空虚で、切なかった。