カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「美弥子も言ってたじゃない。私は恋愛相手より結婚相手を探すべきだって。20代ならともかく、今から不毛な恋愛なんてしたくないわよ。将来のことだって考えなくちゃいけない年なんだし」

刺激的なだけの恋愛なんて、もう無理だ。
相手はやっぱり、全部ゆだねられるような、そんな安心できる人がいい。

結婚するにしろしないにしろ、少なくともちゃんとそういうことが話し合えるような人じゃないと。
それって……真面目すぎるのかな?


「まぁ、そうだね」
しぶしぶ、といった風に美弥子が頷いた。

「それに……御曹司っていうのは本当だとしても、100%信用しない方がいいと思うの。ホテル住まいっていうのも、本当の住所知らせないためかもしれないし」

「何か隠してるっていうの?」

「うー……ん、もしかしたらね」

「何を? もしかして……既婚者とか?」

既婚者? 彼が?
私は首を傾げた。

イメージわかないなぁ。
家庭とかそういうの、めんどくさがりそうだ。

「結婚はわからないけど、同棲中の恋人くらいなら、いてもおかしくないかも」

「そっか……じゃあ、どうするつもり? 彼、すっかりその気なんでしょ?」
美弥子の言葉に、持ち上げたフォークをカタンとおろす。

そうなんだよね。
これから彼は一体、どうするつもりなんだろう?
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