新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
噛み付くようなキスをした湊の手から、不似合いなお玉が床に落ちた音がした。
そのまま私の膝裏に手を回した湊は、軽々と私の身体を抱えあげる。
「み、湊、あの……っ」
「黙って」
「ん……っ、あっ」
そして私を寝室に運んでベッドに下ろすなり、湊は再び性急なキスをした。
何度も何度も角度を変えては塞がれる唇に、段々と息が上がり、頭の中が彼でいっぱいに埋まっていく。
「桜……愛してる。ついこの間、待つって言ったばかりだけど、もう待てないって言ったら呆れる?」
たっぷりと色気を纏った瞳に見下されて尋ねられ、首を縦に振る女の子なんていないと思う。
……それに、待てないのは私も同じ。
こんなふうに思うのは変かもしれないけれど、今はもっと、彼に触れてほしかった。
もっともっと、深いところで彼と繋がりたい。彼を知りたい。
湊に、近づきたい。離さないでほしい。
色々な感情が溢れだして、なんだか自分が自分じゃなくなったみたいで、とても恥ずかしくなった。
「……今、桜が考えてること、当ててみようか?」
「ひゃ……っ、やっ、ダメ……っ」
胸元で光るネックレスの桜のチャーム。
それにそっと口付けた湊は私が着ているシャツのボタンを外すと、顕になった胸元に唇を這わせていく。
「……桜は今、俺と同じこと考えてる。深いところで繋がりたい、知りたい。……たっぷりと時間をかけて、できることなら一晩中、触れ合っていたい。……だろ?」
「そ、そんな、こと……っ、あ……っ」
湊の指が下着をなぞって、反射的に背中が反った。
身体の奥がジンと痺れて、思わず太腿をすり寄せた。
「大丈夫だよ。嫌というほど溶かしてから、食べるから。桜はただ……可愛い声で、俺に鳴かされていればいい」
「や……っ」
けれど、そう言った湊の手がスカートの裾をたくし上げた瞬間に、気がついた。
気がついたと言うよりも、思い出したというほうが正しいだろう。
ちょっと待って──何かが変……って、そうだ。そうだよ、忘れてた……!