新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
 


「桜……」

「み、湊、ごめんなさい……っ‼」

「……うん?」

「あの、その、今日は多分……ダメだと思う……っ」

「ダメ……?」


突然の私の謝罪に、湊が胸元に埋めていた顔を上げた。

そして数秒固まったあと、何かを察したようにハッと目を見開く。


「ご、ごめんなさい……。今月は、タイミングが悪くて……こんなときに……」

「いや……俺のほうこそ……気づかなくて……」


そんなの、気づかなくて当然だろう。

私の生理の周期なんて──知り合って一ヶ月なのだから、知らなくて当然だ。

そもそも、夫婦間で共有することなのかどうかも、よくわからない。

何より経験のない私からすると、生理中は、こういうことができるのかできないのかも、正直よくわからないけれど……。


「……とりあえず、カレー食べようか」


言いながら、そっと私の身体を起こしてくれた湊が中断するのだから、シないのが正解なのだろう。

 
< 126 / 273 >

この作品をシェア

pagetop