新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「 会いたかった 」
「だーかーらぁ。それだと結局、既存の企画と全然変わらないからつまらないでしょう!」
朝イチの打ち合わせで、可愛らしい見た目とは裏腹なサツマちゃんの厳しい声が飛ぶ。
ダン!と、デスクを叩く手は華奢なのに、ビリビリと空気が震えた。
「クリスマスに恋人へのプレゼント用のジュエリーを〜って、もうね、普通。フツーすぎて、マンネリだからどうしようって話っしょ?」
「まぁ、サツマの言うことはわかるけどさ? でも結局、定番が安牌なんじゃないかなぁと思うし、デザインで他のブランドとの差をつければ……」
「──ナンセンス‼」
弱々しい声を出したのはカブくんだ。
そんな彼の言葉を一刀両断したサツマちゃんは鼻を鳴らすと腕を組み、どっかりと椅子の背もたれに背を預けた。
今日は朝から企画部内の打ち合わせで、八人がけの大きなデスクをメンバーみんなで囲んでいる。
デスクの上には、それぞれが作った企画書が広がっていた。
私がLunaに入社して早二週間と少し。
毎日のように朝はこの打ち合わせから始まり、小一時間ほどの時間を要す。