新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない


「ねぇねぇ、ハナちゃんの彼氏ってどんなやつ!?」

「ど、どんなって……えーと……」

「肉食系のイケメンっすか? それとも、草食系のリーマンとか?」


突然、息の合いだしたカブくんとサツマちゃんに詰め寄られ、思わず苦笑いを零してしまった。

とりあえず、結婚しているということくらいは報告しても問題ないかな?

本来なら隠すことでもないし……というか、寧ろ結婚していることを隠すというのは、社会人としてどうかと思う。


「す……すごく、素敵な人、かな? というか私、実は──」

「はいはい。仕事に関係ない話は、そこまでな」


けれど、「結婚している」と告げようとした言葉を、リーダーである根岸さんの声が切った。

慌てて根岸さんへと視線を移すと、彼はサツマちゃんとカブくんを見て溜め息を吐く。


「関係ない話じゃないっすよー。新企画の糸口になる話だったのに」

「どこかだよ。新企画と花宮のプライベート、関係あるか?」

「ありますって! だって、ハナちゃん先輩がいつも身につけてるネックレスが、彼氏さんから貰ったものかどうかって話だったんたから! ねぇ、立派なジュエリーの話っしょ?」


腕を組み、フン!と鼻を鳴らしたサツマちゃんを前に、根岸さんは「まったく……」と、再び深く溜め息を吐いた。

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