新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「桜は、どう思う?」
「わ、私も……湊と、湊が言ってくれたような家族になりたい……」
ほとんど反射で答えていた。
柔らかに目を細めた彼は、私の髪を愛おしそうに何度も撫でる。
「私も……っ、ありのままの自分を預けて、湊に預けられて……っ。愛で結びついた関係を作っていきたい……っ。家族になりたい……っ」
「……うん」
言い終わると同時に、額に温かな唇が触れた。
一瞬だけ触れた温もりはすぐに離れてしまったけれど、名残を惜しむように今度は額に額をあてられて息もぶつかる距離で目が合う。
「だったらもう、俺に恩返しだとか余計なことは考えなくていい。桜はただ、俺の隣で幸せになってくれたらそれでいいんだ」
頬を伝い落ちた涙が、膝の上で繋がれた手の甲に落ちた。
──好き。大好き。
溢れる想いのすべてを、彼に伝える方法がわからない。
言葉にするのは簡単だけれど、やっぱり私は……何かの形で、彼の想いに応えたいと思うんだ。