新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「おばあちゃんは、桜ちゃんをそんな無責任な人間に育てた覚えはないの。だから、あなたはあなたのやるべきことを、最後まで立派に勤め上げなさい」
──厳しくも、優しい。真っ直ぐで律儀な祖母からの、最後の叱責だった。
私は俯きかけた顔を必死に堪えて、唇を引き結ぶ。
そうすればおばあちゃんは優しく目を細めたあとで、そっと私の頬を撫でた。
「おばあちゃんはね、これからもずっと、桜ちゃんのファン第一号よ」
──はじめて、アクセサリー作りをしたのは、私が小学三年生の頃だった。
大好きな祖母の誕生日に何かプレゼントをあげたくて、手持ちのお小遣いを使って綺麗なビーズを買い込んだ。
そして、図書館で借りてきた本を見ながら、ビーズを使った指輪を作った。
初めて作ったビーズの指輪は酷く不格好だったけど、おばあちゃんはとても幸せそうに微笑んで、『ありがとう』と言ってくれたのだ。