新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
── 一生、大事にするわね。
多分、あれが夢の始まりだった。
自分の作ったもので、自分以外の人を笑顔にしたい。
それからコツコツと色々なものを作ってはおばあちゃんに見せ、将来の夢を呆れるくらいに語り続けた。
『おばあちゃん、桜ちゃんの夢を応援してる。だって、おばあちゃんは桜ちゃんのファン第一号だもの』
そう言って、私が作った不格好なビーズの指輪を、いつまでもいつまでも大切にしてくれた、おばあちゃん。
早くに亡くなった両親の代わりに私を今日まで育ててくれて……。
いつだって、私の味方でいてくれた、たったひとりの愛する家族。
「桜ちゃん、大好きよ」
ベッドの上に横たわるおばあちゃんの手を握り、何度も何度も頷いた。
「私も……っ、おばあちゃんが大好き……っ。おばあちゃんが私のおばあちゃんで、本当に良かった……っ」
そう言うと、おばあちゃんは安心したように微笑んでから目を閉じた。
呼吸は落ち着いていて、そのまま、しばらくもしないうちに眠ってしまった。