新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「……湊、家に帰ろう」
おばあちゃんが眠ったのを確認してから、私は後ろに立つ湊に声をかけた。
目元に滲んだ涙を拭って、背の高い彼を見上げる。
「付き添ってなくて、いいのか?」
「はい。もう、大丈夫です」
多分、目は真っ赤になっているだろう。
それでも私は精いっぱい笑ってみせる。
だけど、無理をして笑ったわけではない。
……もう、いつまでも泣いていてはダメだと思った。
いつまでも、周りに心配をかけるような私ではいたくない。
だって、ひとりでも立派に歩いていけるように……おばあちゃんが私を育ててくれたから。
だから私はどんなときでも顔を上げ、前を向いて歩いていきたい。