新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「でも、クリスマスに恋人以外の人……家族や、大切な人にジュエリーを贈ってもいいじゃない、と思ったんです」
カップルだけではない。
恋愛以外の目的で渡せるジュエリーがあったら素敵だと思った。
そして、若い女性を中心とした幅広い世代に愛されている今のLunaなら、それができる力もある。
「今回の企画は、Lunaのジュエリーの可能性を広げる意味でも絶対に成功させたい事案だと思っています」
口添えをしてくれたのは根岸さんで、サツマちゃんも隣で力強く頷いてくれた。
「社長からの要求にもあったとおり、従来のクリスマス企画にはなかった新しい視点です」
再び企画書に視線を落とした湊は、長い指を口元に添えて押し黙った。
考え込むような仕草に相変わらずドキドキと胸は高鳴っていて、今、湊が何を思うのか……。
どんな答えが社長である彼の口から出るのかわからず、緊張で指先が震えた。