新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「もちろん、GIFTシリーズの中では従来のターゲットである恋人から恋人へのプレゼントとしてのジュエリーも押さえています。その上で、我々は新しい風を──」
「いいな、この企画」
根岸さんがすべてを言い終えるより先に、凛と通る声が会議室に響いた。
ゆっくりと顔を上げた湊の顔は自信に満ち溢れていて、再びその笑顔に魅入ってしまう。
「これでいこう。俺も、これ以上の企画はないと思う」
言葉の通り、真っ直ぐな声には一縷の迷いもなかった。
胸の鼓動が速くなって、膝の上で握り締めた手には汗が滲んだ。
「時間がない中で、よくここまで企画をブラッシュアップしてくれた。このあとはデザイン部とも企画を共有して、更に細かく詰めていこう」
湊の言葉に、サツマちゃんが机の下でガッツポーズを作った。
根岸さんは「ありがとうございます!」と明るい返事をして、満面の笑みを浮かべる。