新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「……でも、今日もおばあちゃんのところに行くので」
ぽつりと零すと、湊は唇を引き結んだ。
だけど、それが事実で現実だ。
それをわかっている湊も何かを諦めたように深い息を吐くと、そっと私の唇に口付ける。
「……桜は、俺を焦らすのが好きだな」
「そんな、こと……」
「わかった。それなら、とことん焦らされてやる。……それで、桜のほうから俺に抱いて欲しいと言うまで我慢比べしようか?」
「な……っ、」
「今日みたいに、また職権乱用してやってもいいし──家でもたっぷり、桜を可愛がる時間はあるし?」
柔らかに目を細め、首を傾げた湊は色っぽく笑ってみせた。
そのまま私の手を引き立ち上がらせると歩を進めて、内側からかけていた鍵に手を伸ばす。