新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「……企画、楽しみにしてる」
会議室を出る直前、そう言った湊は私の髪を優しく撫でた。
そのときにはもう彼の顔はLunaの社長のものに戻っていて見惚れてしまう。
「……がんばります」
名残を惜しむように離された手を引いて、背伸びをした私は彼の頬にキスをした。
突然のことに驚き固まる彼を置き去って、私は先に会議室を出た。
思い切ったことをしてしまった。
でも、どうしても彼にキスしたかった。
会議室の外には近衛さんが待ち構えていて、赤くなった顔を隠すように慌てて会釈をした私は足早に企画課へと戻った。
相変わらず、ドキドキと胸の鼓動がうるさい。
最後の最後に自分から、大胆なことを──してしまったと、後悔してももう遅い。