新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「道中、引き返したくなったらいつでも言って」
それでも私は唇を引き結んで、顔を上げ続けた。
「……行こう」
腰に廻された腕は力強くて暖かい。
だからこそ私は彼の気持ちにも応えたかった。
──今日は、Lunaの社長である湊にとっても大切な日なのだ。
そして私は彼のサポートという仕事を任されている。
……おばあちゃん、ごめんなさい。もう少しだけ、あと少しだけ……神様、お願い。
スッカリと見慣れた景色を車の中から眺めながら祈り続けた。
そんな私の思いにも気がついていただろう湊はLunaに着くまで、私の手を握っていてくれた。