新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「湊も、頑張って」
生意気だとは思ったけれど、言葉を添えた。
そうすれば湊は私の額に軽く口付けたあと、自身は乗らないエレベーターのボタンを押してくれた。
「──花宮、行けるか?」
予定通り企画課に着き取材の最終準備を進めていると、根岸さんに声をかけられた。
「資料も全て、用意してあります。社長の準備も整いました」
顔を上げてから答える。
そうすれば根岸さんは笑顔で頷いてくれて、改めて時間の確認が行われた。
取材の撮影があるのは、Lunaの一階にある広いラウンジの一角だ。
そこには日頃からLunaの売れ筋ジュエリーが展示されていて、その中には今日発表される、クリスマスジュエリーの一部も展示されている。
すでにテレビ局のカメラも入り、照明やマイクの準備も整っていた。
あとは取材に来てくれる予定のリポーターと、用意してある椅子に湊が座るだけだ。
最終打ち合わせのために部屋に篭っている湊とリポーター、プロデューサー、それに近衛さんとサツマちゃん。
しばらく彼らのいる部屋の扉をジッと眺めていると、時間に余裕を持って全員が中から順に顔を出した。