新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない


「──今回、Lunaが発表した"GIFTシリーズ"は、従来のジュエリーが持つ恋人たちのための商品という概念を打ち崩す、新しい取り組みだと聞きました」

「──はい。Lunaで何か新しいものをやれないか……という僕からの無理難題を、我が社の有能な社員たちが叶えてくれた形です」


少しの冗談を交えながら、穏やかな口調で湊が答える。

和やかなムードで取材は進んでいき、私の心も自然と落ち着きを取り戻した。


「確かにクリスマスジュエリーに、恋人たち以外をターゲットとした商品を……というのは新しいですね」

「クリスマスに家族や友人、知人への感謝を込めたジュエリーを、という発想は、僕もとても面白いアイデアだと思っています」

「……っ!」


その瞬間、ほんの一瞬だけれど湊と目が合った。

穏やかに、それでいて真っ直ぐな彼の綺麗な瞳に不意打ちで射抜かれて心臓が波打つように高鳴ってしまう。

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