新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない


「奥様からは、どのようなジュエリーがほしいというリクエストはございますか?」

「そうですね。特にコレ、という注文は受けていませんが、それこそ妻には"感謝"しかないので、今回のLunaクリスマスジュエリーのGIFTシリーズのどれかを贈りたいと思ってます」


けれど、私の心配を他所に、湊は淡々と答え続けた。

それがあまりに普通でいつも通りだから── 最初から、こういう台本でもあったのかと思ってしまう。



「奥様に"感謝"とは、具体的にはどのような?」

「……僕の妻は、僕が新しいLunaを創り上げるキッカケをくれた人なんです。そして……それより以前にも、妻からはとても大切なものを貰っています」


思いもよらない言葉に、私は目を見開いて固まった。

私から、大切なものを貰っている?

Lunaを創り上げるキッカケについては──以前、湊から聞かされたことがあったから知っている。

私が卒業制作で出した作品を見て、湊は今のLunaのコンセプトに辿り着いたということだ。

だけど、それより以前にも大切なものを貰った……とは、一体どういうことだろう。

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