新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない


「そして今回の企画も、妻なしでは完成しないものでした」

「それはつまり……?」

「妻は僕の最愛であり、唯一の女性です。GIFTシリーズには、そんな愛がたくさん詰まっています。だから是非、多くの方に手に取ってもらえたら嬉しいです」


湊がそこまで言ったところで予定の時間が来たのだろう。

カンペを持ったスタッフさんが取材の終わりを告げる合図を出して、リポーターも素直に従う。


「素敵なお話をありがとうございました! 本日はLunaの如月社長にお話を伺いました!」


締めの言葉も終わり、中継が切れた合図が出る。

思わずホッと胸を撫で下ろしたあとで、根岸さんがスタッフさんに抗議をした。

予定にない話だった。

スタッフさんはほんの少し申し訳なさそうにはしていたけれど、多分、最初から湊の結婚話を放り込むつもりだったのだろう。

のらりくらりと謝罪を述べただけで、次の取材の申し込みまでしてくる有り様だ。

私はそれを聞きながら、どっと疲れが押し寄せて、その場に座り込まないようにするのに必死だった。

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