新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
湊の妻が私であるということは、今回の取材を含めた一件でLuna全体に知れ渡ってしまった。
当然といえば、当然だろう。
Lunaの社員の一部も、あの撮影をコッソリと見に来ていた。
その上、あの取材を受けたあと、湊が忌引休暇で数日休んで……。
更にはそれが、奥さんの親族が亡くなったためだということが、社内で通告されたのだ。
「……今まで内緒にしていて、ごめんなさい。Lunaでは彼の妻としてではなく、駆け出しのイチ社員として扱ってほしかったので、私から内緒にしたいと申し出たんです」
誠心誠意そう言って頭を下げると、みんなは複雑そうな顔をした。
「そういう事情で申し訳ない。妻の願いを、俺は無下にはできなくてね」
けれど、複雑なみんなの気持ちを知ってか知らずか、ちゃっかりと付いてきた湊が嬉しそうに言葉を添える。
思わず苦笑いを零せばカブくんとサツマちゃんは固まってしまって、根岸さんとナスさんは私と同様に苦笑いを浮かべていた。