新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
 


これが、【最善】。

──彼と結婚することが、私の最善。

そして、私と結婚するのは彼にとっても最善だと彼は言う。


「俺が君を、幸せにする」


再び迷いのない声に、貫かれた。

それは天地がひっくり返ったみたいな、衝撃だった。

今、目の前で柔らかに微笑む彼の何を、信じたらいい?

これが所謂、結婚詐欺?

ううん、彼ほどの地位のある人が、そんなことをする理由がない。

だとしたら、本当に今のが彼の気持ちなのだろうか。

仮に、如月さんが今言ったことが全て偽り無く、彼の本心だとしたら……。

本当に、私と結婚することが彼にとっても"最善"なのだとしたら──。

私はもう如月さんに、なんの反論もできそうにない。

 
< 49 / 273 >

この作品をシェア

pagetop