新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
 


『自分の結婚相手くらい、自分で決める。親に決められた人生なんて、俺は真っ平ごめんだし』

清々しい表情で言い切った彼に、心臓が甘く高鳴ったことを覚えている。

そして、その言葉に嘘はなかった。

実際、如月さんはご両親の前で堂々と私を紹介すると、『今月末にでも婚姻届を出してくる』と宣言したのだ。

そんな突拍子もない彼の言動にもご両親は慣れっこなのか、咎める様子もなかった。

それどころか私たちの結婚をとても喜んでくれて、私を新しい家族の一員として優しく迎え入れてくれたのだ。

『湊、桜さん。結婚、おめでとう』

二人の笑顔は、二人の息子である彼の笑顔と良く似ていて、構えていた心が紐解くように、一瞬で和らいだ。

温かくて、穏やかで。

すべてをそっと包み込む……春の日差しのような、優しい笑顔だった。

 
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