新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
実際、私が彼を今、愛しているのかと尋ねられたら、迷わず頷くことはできないだろう。
彼との結婚を自分の最善と考え、彼からの結婚の申し出を受けたものの、彼に対して特別な感情を抱いているのかどうかは、まだよくわからなかった。
『桜ちゃんを、どうぞよろしくお願いします……っ』
『……はい。彼女を泣かせることのないように、これからは僕も彼女を支えます』
だけど、そう言って柔らかに微笑んだ如月さんの言葉と様子からは、私への愛情のようなものを感じ取れた。
もちろん、私のおばあちゃんを前にして、如月さんが言葉を選んでいたということも理解している。
それでも、なんとなく……彼は本当に私を愛してくれているんじゃないか、なんて、錯覚を起こしてしまいそうになった。
それほど彼の言動には迷いがなく、終始、情熱的で毅然としたものだった。
思い返せば初めて『結婚しよう』と言われたときも、彼は堂々としていた。
「蘭、私……」
「でも、これでひとつ、私の夢も叶いそう」
「え?」
「だって、私がいつか結婚するーってなったときには、桜がデザインした結婚指輪をつけたいって思ってたの。だから、それまでにLunaで腕、磨いてよね。それで最高に素敵な結婚指輪を、私のために作ってね」