新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「そのときからずっと、あの作品の作者を探していた。あれを作った子は、一体どんな子なんだろうと……いつも頭の片隅から離れなかった」
そっと、私に目を向けた湊は、眩しそうに目を細めた。
同時に私の目からは涙の雫が零れ落ちて、頬を濡らす。
「Cosmosの噂を聞いて、作品を手に取ってみて、すぐに気が付いた。温かくて優しくて……人の心を惹きつけるアクセサリーは、あのときに見たものと変わらなかった」
「わ、私……」
「これで、やっとあの子に会えるんだと思ったら……もう、自分を抑えることはできなかった。勝手なことをしたと思ってる。でも今は、こうして君を抱き締められることを、心から幸せに思う」
優しく涙を拭う指先に、再び涙が溢れてしまった。
「嬉しそうにLunaのジュエリーについて語ってくれる桜を前にしたら、愛しさが溢れだした。あのとき俺を救ってくれたのは他でもない桜、君なんだ。だから家族のために夢を諦めた桜を……今度は俺が、救いたいと思った」
次から次へと溢れだす涙を、私は止められそうもない。
まさか、湊がそんなにも前から私を探してくれていたなんて……思いもしなかった。
慌てて両手で顔を覆うと、そっと彼の腕の中へと引き寄せられる。
「今のLunaがあるのは、桜のおかげだ。……桜がいたから。桜のご両親がいたから、今の俺がいる」
優しく髪を撫でる手が、余計に涙腺を刺激した。
──今、湊は今の自分がいると言ったのは私と……私を産んだ両親のお陰だと言ったけど、そうじゃない。
今のLunaがあるのは、紛れもなく湊の力だ。
逆境に立たされても諦めずに戦った、湊の強い心と努力が引き寄せた結果なのだ。