新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「俺は、桜がいいって思えるようになるまで待つから安心して。……ときには自制できなくて、桜を虐めることもあるかもしれないけど、そのときは許してほしい」
「ん……」
言いながら、唇に優しいキスを落とした湊は、私を見て愛おしげに目を細める。
「俺は桜を愛してる。桜はそれだけを心に留めて、俺のそばにいてくれたらいい」
ゆらゆらと、暖色のライトが彼の輪郭を淡くなぞった。
窓の外に広がる夜景と左手薬指に輝くエンゲージリング。
その日の夜、私たちは広いベッドの上で抱き合って、お互いのこれまでのことを話した。
気がつくと瞼は重くなり、まどろみの世界を意識がゆっくりと漂って……。
『おやすみ、桜』
穏やかな世界の片隅で、彼の優しい声が聞こえて思わず顔が綻んだ。
次の日、無事に婚姻届を提出した私と湊は晴れて、正式な夫婦になった。