新妻独占 一途な御曹司の愛してるがとまらない
「……確かに、最初は私も半分は打算で、彼との結婚を決意した。でも今は……あのときの選択は、間違ってなかったと思ってる」
湊と入籍し、昨日は一日中彼とふたりで、ゆったりとした時間を過ごした。
移り住んだばかりの高層マンションはまだ落ち着かないけれど、それにも少しずつ慣れていけばいいと、彼は言ってくれたのだ。
おばあちゃんがいつ帰ってきてもいいようにと、介護用のベッドも新調してくれた。
マンションだってバリアフリー仕様だし、これまでおばあちゃんと住んでいた築四十五年の小さな借家に比べたら、格段に使い勝手も良くなった。
何より私だけではなく、おばあちゃんのこともしっかりと考えてくれている彼の優しさに、私は心から感謝した。
本当に……私には勿体無いくらい素敵な人だ。
そんな彼が私を好きで、仕事でも必要としてくれているのかと思ったら、こんなに嬉しいことはない。
「湊は、こんなちっぽけな私を大切に想ってくれていて……今は、そんな彼のことを、私も大切に想ってる」
彼と同じ時間(とき)を過ごすたび、彼を知れば知るほど自分の心が変化していくのがわかるんだ。
湊のことを、もっとよく知りたい。
湊に触れれば触れるほど……今よりもっと、彼の心に近づきたいと思った。