悪しき令嬢の名を冠する者
「革命……?」

「ええ。勇者になってみないかしら」

「私が、ですか?」

「ガストン様が」

「もしかして……今迄の言葉は全てこの為に仕組まれていたとでも言うのですか……?」

「そうよ」

「貴女は王子すら味方につけて、それをなさると?」

「そうだ。尤も断ったら死ぬだけだがな」

「どうなさるの?」

 ヴィンセント様が肯定し、私が急かす。答えなど一つしか残されていなかった。

「……ッ……その命、有り難くお受けいたします」

「よし、終わったな。これからよろしく。ガストン」

「え、は、はい」

 首を垂れるガストン様に、白皙の掌が差しだされる。王子の行動に驚愕しながらも、彼はその手を取った。
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