悪しき令嬢の名を冠する者
第18輪*side レイニー*
*
「フィン、お手洗いに行ってくるわ」
「はい。お気を付けて」
ホールに彼を置き去りにし地下室へ向かう。地下室のどこに行けばいいのかは分からないが問題はないだろう。〝シュプギー〟は私に会いたがっているのだ。きっと向こうから会いに来てくれる。
使用人の目を潜り抜けながら地下室への階段を探す。事前にワインセラーの場所を聞いていたので迷いなく向かうことができた。
深夜というせいもあるのだろう。薄暗い廊下は気味悪く、地下室は当然人の気配など無い。
足音は一つだけ。それが孤独であることを顕著に表し余計に恐怖を感じた。
「フィン、お手洗いに行ってくるわ」
「はい。お気を付けて」
ホールに彼を置き去りにし地下室へ向かう。地下室のどこに行けばいいのかは分からないが問題はないだろう。〝シュプギー〟は私に会いたがっているのだ。きっと向こうから会いに来てくれる。
使用人の目を潜り抜けながら地下室への階段を探す。事前にワインセラーの場所を聞いていたので迷いなく向かうことができた。
深夜というせいもあるのだろう。薄暗い廊下は気味悪く、地下室は当然人の気配など無い。
足音は一つだけ。それが孤独であることを顕著に表し余計に恐怖を感じた。