悪しき令嬢の名を冠する者
第19輪*side レイニー*
*
「レイニー様?」
「フィン……」
暫く呆然と俯いていると、フィンの声が聞こえた。
闇に目を凝らしているのだろう。階段を折り切った彼は私の姿を見つけるなり、そそくさと駆け寄ってきた。
「どうなさったんですか?」
「ヒールが折れただけよ」
「そうですか」
彼は頷き、私を軽々抱き上げる。階段を上がれば、目に痛いシャンデリアが煌々と輝いていた。
「レイニー様?」
「フィン……」
暫く呆然と俯いていると、フィンの声が聞こえた。
闇に目を凝らしているのだろう。階段を折り切った彼は私の姿を見つけるなり、そそくさと駆け寄ってきた。
「どうなさったんですか?」
「ヒールが折れただけよ」
「そうですか」
彼は頷き、私を軽々抱き上げる。階段を上がれば、目に痛いシャンデリアが煌々と輝いていた。