悪しき令嬢の名を冠する者
「フィン、これからも私を守ってくださる?」

「命令なさらないのですか?」

「私は貴方の意思を訊いているのよ」

「三年前、俺は貴女に忠誠を誓いました。勿論ですよ。フェアレディ」

「そう」



 ――私が何者でも?



 その言葉は胸の奥深くに沈めた。彼は私の〝護衛係〟そう言い聞かせて。
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